こんにちは、共同代表の大野です。
前回までのお話しについては、コチラをご覧ください。
今日は『どうやって我々が最初の一歩を踏み出したのか』について書いてみようと思います。どうぞリラックスしてお楽しみください。
往々にして、モノゴトの最初の一歩は難しいものです。難しいし、大変です。『さぁ、やろう!』となってもまず何からはじめたらいいのかわからない。ホームページ? Twitterアカウント? Facebookページ? ついついSNSの方向に流れがちな昨今の状況もわかるのですが、そんなものを取ったところで書くことが何もないんですから意味がありません。笑
僕らの最初のアクションは『図書館に行く』でした。
バングラデシュの話で盛り上がりつつも、わずかな情報しかない我々としては現状把握が最も手っ取り早く、かつ最も必要なアクションでした。
『乳児死亡率が高い』、『識字率が低い』という情報(ネットで拾える情報も多々ありました)はあれど、それは本当に信頼できるのか、いったい何に基づいているのか、バングラデシュの中でも最も大変な地域はどこなのか、については全然わかりませんでした。
そこで、内山が大学院の論文執筆の際に使っていたというジェトロの『アジア経済研究所』の図書館へ行くことに決めました。
ちなみに、アジア経済研究所図書館の事業概要には、『開発途上国関連資料に関する世界屈指の専門図書館です。学術図書、統計書など各国の政府刊行物、新聞・雑誌、地図、国際機関の報告書等が豊富で、どなたでも無料でご利用になれます』とあり、まさに専門書籍やアジア各国の統計書、珍しい雑誌(例えばラオスのファッション誌とか)などが所狭しと並んでいました。面白かったので、その後休みの日に一度だけ自分でも行きました。笑
ミッションは3つ+α。
(1)5歳以下の子どもの死亡率で最も高い地域を特定する
(2)5歳以下の子どもの死亡率で最も多い死因は何か特定する
(3)成人識字率の最も低い地域を特定する
(4)現地地図などの他、使えそうなデータは片っ端からコピる
その日は日差しが強い日で、図書館までの緑が眩しい公園で子どもたちが遊んでいたのを、『バングラの子どもたちもここで一緒に遊べたら面白いなー』なんてことを思いながら通り過ぎたことを思い出します。
こうしてデータを集めてみた結果、バングラデシュにあるJamalpur(ジャマルプール)という地域の数字が目立ちました。地図に目を落としてみると、Jamuna River(ジョムナ川)というチベットからの雪解け水とインドからのガンジス川が合流する河川が縦断している地域でした。
そうした事実をもとに、『大河によって分断された地域』、『数年に一度起こる大洪水』といった特殊性がバングラデシュの中で突出した数字につながっているのではないか、と仮説を立てました。
これまで自分が関わったプロジェクトは、誰かが始めていたプロジェクトにたまたま出会い、それを応援するかたちでした。でも、これではじめて自分(たち)が『ここかもしれない』と仮設を立てたわけです。現地に行くよりも誰かに出会うよりも前に。その時には、その判断が正しいか間違っているかなんてもちろんわかりません。でも何と言うか、『そんなもん行ってみなけりゃわからない』という気持ちがふつふつと沸いてきて不思議な気持ちでした。
これは僕個人にとってはとても大きな体験でした。
でも、『ここかもしれない』と仮説を立ててみても、誰も知っている人もいなければ、どんな土地なのかも分かりません。
さぁ、冒険のはじまりです。笑
次回に続きます。では、またね。